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ノミの違いについて

公開日: 2020.11.16

木彫りについて詳しくない方が「ノミ(鑿)」と聞いてイメージするのは、きっと大工さんが使っているノミだと思います。
この大工さんが使っているというノミは追入ノミという種類のノミになります。最近ホームセンターなどでも売られているのはこの追入ノミです。

しかし、『彫刻刀や木彫ノミで作れる彫り物作品4選』で色々な木彫りを紹介しましたが、そこで使われるノミのほとんどは追入ノミではなく木彫ノミというノミなります。
追入ノミもまとめて木彫ノミという方もいらっしゃいますが、今回はその追入ノミと木彫ノミの違いについて説明させて頂きます。
※大工さんが使うノミは追入ノミ、厚ノミ、薄ノミ、鎬ノミなど色々ありますが、今回は追入ノミで比較していきたいと思います。

追入ノミ

主にホゾ穴を彫るときに使用します。
刃の形状は基本的に平(平らなもの)になります。

追入内丸ノミや追入外丸ノミのようなRのついたものもありますが、ホームセンターやネットで売られている追入ノミはほとんどが平になっています。
主に穴を掘る時に使うのでRをついたものを使うシーンがほとんどないからだと思います。

木彫ノミ

ここでお話しする木彫ノミは主に弊社の木彫ノミになります。

刃の形状が丸(Rがついているもの)や平、または刃の元のところから曲がっているものなど様々な種類があります。
追入ノミが「ホゾ穴を掘る」という用途に特化しているのとは逆に、木彫ノミは木の表面に凹凸を入れたり複雑な形に削ったりと、造作をするための道具になるため種類もたくさんあります。

追入ノミと木彫ノミの違い

1.刃の厚み

(左)追入ノミ (右)木彫ノミ

写真で見てわかるように追入ノミと木彫ノミの一番の違いは刃の厚みになります。
なぜ木彫ノミのほうが薄いかというと『彫刻刀の切れ味は鋼の硬さと薄さで決まる』の記事でも書いたように、刃物は薄ければ薄いほどよく切れるからです。
追入ノミのように「穴を掘る」という用途だけでなく、先回の記事で紹介したようなカトラリーや面打ち、円空彫などの様々な木彫りを行うには刃の薄い木彫ノミのほうが適しています。


ただ、鍛冶屋さんによっては追入ノミも木彫ノミも厚みが変わらないところもあります。

2.刃の長さ

(左)追入ノミ (右)木彫ノミ

次に違うのが刃の長さになります。追入ノミは大体どこのメーカー様も2寸(6cm)にたいして、弊社の木彫ノミは約1寸6分(4.8cm)になります。
因みに、全長(刃先から柄の桂のところまで)の長さは同じです。木彫ノミの柄が追入ノミの柄より長くなっています。

ただ、メーカーによっては木彫ノミの刃の長さが追入ノミと同じ長さのものもあります。
なぜかと言うと、追入ノミなどを作っていた鍛冶屋さんが木彫ノミをつくるようになったからです。
では、なぜ弊社の木彫ノミが追入ノミよりも刃の長さが短くなったかというと、もともと弊社は追入ノミを作っておらず特殊ノミや職人さんが造作でたまに使う木彫ノミをメインに作っていたからです。

そして、職人さんの要望に応えていったら現在の長さと厚みになりました。

まとめ

追入ノミは主な用途がホゾ穴を彫るということに対して、木彫ノミはホゾ穴を彫るわけではないので刃が短くてもいいのです。

また、刃が短く柄が長いと追入ノミよりも持ちやすく作業しやすいです。

ただ、追入ノミが木彫りに適してないということではありません。追入ノミにも木彫ノミにも特徴があるので、その特徴を理解し、自分が何を彫るか、どういう物を彫りたいかによってノミを選んで頂けたらと思います。