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彫刻刀メーカーが本気で造った革包丁

公開日: 2020.12.15

先回の記事『河清刃物のもうひとつの得意分野「特殊刃物」』の最後に少しお話しさせて頂きましたが、今回は弊社の革包丁についてお話させていただきます。

1.革包丁を作り始めた歴史

もともと弊社は彫刻刀や木彫ノミ、特殊刃物を得意としていたため、職人さんの要望などに応えるうちに色々な刃物が河清刃物の技(特殊刃物)シリーズに入っていきました。

そのうちの一つが革包丁です。

3代目の私が入社したころ(20年前)は技シリーズの革包丁(鋼は青紙1号を使用)の注文はほとんどありませんでしたが、特注のハイス鋼を使用した革断ち包丁は私が入社する前から数年に1回大量注文がありました。

ですが、その特注のハイス鋼の革包丁の注文もなくなり、革包丁は年に数本出るかどうかぐらいの商品になってきていました。

2.改良に至った経緯

7年前にある先生との出会いをきっかけに河清刃物の革包丁は劇的に変わっていきました。

詳しいことは書けませんが、先生の意見を聞きながら本気で革包丁の改良をスタートさせました。

見た目は昔とほとんど変わっていません。

まずは鋼を青紙1号から青紙スーパーに変えました。革包丁を作り始めたころは青紙スーパーを使用した商品が弊社にはありませんでしたが、この時には彫刻刀に青紙スーパーを使用していたため、すぐに変更することを決めました。

他にも数か所変更した部分があるのですが、大変申し訳ありませんが企業秘密のためここではお話しできません。

1年間ぐらい試行錯誤しながら、やっと現在の「彫刻刀メーカーが本気で造った革包丁」が誕生したのです。そして今もなお、進化し続けています。

今までは36㎜しか作っていませんでしたが、20㎜、24㎜、30㎜などサイズも増やしました。

こうして改良を重ねてきたことと、趣味の革細工の流行をきっかけに少しずつ注文が増えていき、今では弊社を代表する商品にまでになりました。

3.革包丁以外の革細工で使う道具の製作

革細工は色んな刃物を使うことが多く、革包丁以外の道具の製作依頼が最近は増えてきました。

依頼の中で製作した道具を2点紹介したいと思います。

豆鉋

革包丁で使用している鋼、青紙スーパーを使用しています。

片刃突きのみ(柄付)

こちらで使用している鋼も青紙スーパーです。

きっとまだまだ革細工で使われる刃物で作れるものがあると思います。

少しでも職人さんや趣味で道具を使われる人たちに喜んでもらえるよう、作品の手助けになれるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

この他にも革細工に使う刃物でお探しのものがありましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

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