日本のノミと洋ノミの違い
今では日本の道具が海外で高く評価され使用されるのが当たり前になった時代です。
弊社の木彫ノミも海外へ輸出されていますが、海外にも元々ノミはあります。
知らない方もいるかもしれませんが、日本でも海外のノミは販売されています。
そこで、今回はノミを購入する時に日本のノミか洋ノミか悩んでいる方に少しだけ違いを説明させていただきます。
日本のノミの特徴
以前のブログ記事の「木彫ノミの仕組みについて」で話しましたが、日本のノミはほとんどが二層鋼のものになります。
二層鋼は軟らかい地鉄(じがね)に鋼が付けてあるもので、切れ味も良いですし、研ぎやすいというのが特徴です。
また、日本のノミは片刃になります。
柄は桂が付いていて玄翁で叩くことが出来るようになっています。
洋ノミの特徴
日本のノミの二層鋼とは違い全鋼になっています。
全鋼とは、文字の通り刃の部分全部が鋼になっているものです。
日本のノミが片刃に対して洋ノミはほとんどが片刃ではありません。
柄も日本のものと違いほとんどのノミに桂が付いていません。
また、日本のノミが厚く短いのに対し、洋ノミは薄く長いのが特徴です。
日本のノミと洋ノミの特徴を書いてきましたが、いくつか「なぜ?」と思われることがあると思います。
今度はその「なぜ?」について説明していきます。
洋ノミはなぜ二層鋼ではなく全鋼なのか?
日本は昔から鋼付けという製法があり、海外にはその製法がなかったのが大きな理由だと思います。
洋ノミはなぜ片刃じゃないのか?
これも日本は裏スキ・裏出しという技術があり、海外にはその技術がなかったということです。
裏スキ・裏出しがあると、片面が平らになり片刃の刃物が出来るのです。片刃のノミは削るという作業に特化しています。
洋ノミの柄はなぜ桂が付いていないのか?
これについては知識不足ではっきりとした理由は分かりませんが、洋ノミは樹脂製(ゴムっぽい)の柄のものが多く、桂がなくても木の柄みたいに割れる心配がないからだと思います。
木の柄のタイプでも桂がないのは日本みたいに玄翁ではなくゴムハンマーで叩くのではないでしょうか。
今度ちゃんと調べておきます。。。
まとめ
このように違いをまとめるとかなり違うのが分かります。
日本のノミが海外で人気の理由は上記に上げた特徴(二層鋼、片刃、桂付きの木柄)が大きいと思います。
ただ、決して洋ノミが悪いわけではありません。
洋ノミの方が薄くて長いので狭い場所を掘るのに良かったり、樹脂製の柄だから滑りにくく持ち易いのが特徴です。
利用用途によって日本のノミ・洋ノミを選んで頂ければと思います。