100均の彫刻刀を彫刻刀メーカーが使ってみた
先日、展示販売でお客様に「100均の彫刻刀ってどうなの?」と聞かれたり、このサイトに「100均 彫刻刀」で検索して来られる方がいらっしゃるようなので、気になってしまい買って使ってみました。
私の知らないところで実は100均の彫刻刀のクオリティがスゴく上がってたらどうしようとドキドキしながら、色々と試してみたのでリポートしていこうかと思います。
ダイソーで売っている彫刻刀を買ってみた
ダイソーで売ってた彫刻刀は「平刀6㎜・三角刀90度3㎜・丸刀6㎜・切出し刀(印刀)6㎜」の4本セットで売られていました。私が行った店舗では彫刻刀はこのセットだけでした。
台紙の裏面には“木版、ゴム版の彫刻に”と記載されていました。
パット見た感じはこれで110円(税込)は凄いと思いました。持ってみるとかなり軽いです。
ということで、、、
木版で使用するシナベニヤを彫ってみた
彫れなくはないですがイメージ通りに彫れないのでストレスが溜まるかもしれません。
あと、彫る時に引っかかる感じがして、力を入れないと彫れないのでケガをしそうで危ないなと思いました。
ですので、初めて彫刻刀を使うお子さんに使用させるのはお勧めしません。
次に、、、
消しゴムを彫ってみた
シナベニヤを彫る時よりは力を入れずに彫れる感じがしました。
ただ、彫り面はあまりキレイじゃないのと、細かい作業は無理かなと思います。
100均の彫刻刀を研ぎ直して彫ってみた
もしかしたら秘めたるポテンシャルを持っているかも!?と思い、100均の彫刻刀を研いだらどうなるか気になったので試してみました。
100均の彫刻刀を研ぐ前の刃先
100均の彫刻刀を研ぐ前の刃先
プロの目で見て、これだけ研ぎの目が残っているとやっぱり切れませんし、彫り面もキレイにならないだろうなと思います。
(刃先にサビ止めのニスが付いているので少しわかりにくいですが)
100均の彫刻刀を研いだ後の刃先
100均の彫刻刀を研いだ後の刃先
残っていた研ぎの目が取れ、見た目にもキレイになりました。もしかしたらもしかするかも、、、
切れ味は・・・残念ながら少しは良くなったかなという程度で期待した程は変わりませんでした。ですが研ぐ前の彫り面がザラっとしていたのに対し、研いだ後は掘り面に少し艶が出てキレイになってました。
まとめ
消しゴムハンコをやってみたいけどすぐ飽きるかも、、、初めてだしまずは低コストで始めたい、という方には良いかなと思います。
同じ理由で木版始めたいという方には、切れ味があまり良くないので力を入れてケガをしてしまう可能性もありますしあまりお勧めはしません。
せっかく始めてみようと思った木彫りが道具のせいで思うようにできなくてつまらなかったってなるのはもったいないし、彫刻刀メーカーとしては寂しい気がしますので、やはり道具は彫るものによって選んだり、趣味にかける予算や自分の満足度などを考慮して選んでもらえると良いかなと思いました。
以上、彫刻刀メーカー3代目の「100均の彫刻刀を使ってみた」でした(笑)