彫刻刀・木彫ノミが壊れたけど修理できる?できない?
これまで彫刻刀や木彫ノミの研ぎについてのお話はしてきましたが、今回は刃研ぎ以外の修理についてお話していきたいと思います。
刃研ぎ以外の修理と聞いて「どういう所が修理できるの?」と思われる方もいると思います。
今回は、今まで弊社に問い合わせや依頼があり、修理を行った事例を上げていきたいと思います。
どの事例も弊社の物だけではなく他社の物も修理の対象に含まれます。
- ノミの柄が壊れた。
- ノミの桂(柄の下に付いている金具のこと)が緩くなった。
- ノミの桂が無くなった。
- 彫刻刀の刃が折れてしまった。
- 自分で研いだら刃の形が変わってしまった。
etc
原因も含めて説明していきたいと思います。
木彫ノミの柄が壊れてしまった
木彫ノミは叩いて使うことが多いので、刃はまだ使えるのに柄がダメになってしまうことがあります。柄は壊れても修理(入れ替えること)が出来ます。
木彫ノミの桂が緩くなった・無くなった
桂(カツラ)とは柄の下に付いている丸い金具のことを言います。
空気が乾燥することによって木がやせてしまい、桂が緩くなる、緩くなって取れてしまう、取れて無くなってしまうということがあります。
桂も柄と同様、新しい物に付け替えることが出来ます。
彫刻刀の刃が折れてしまった
彫刻刀が折れるということはほとんどありませんが、稀にいろんな条件が重なって折れてしまうことがあります。
例えば、平刀や印刀の1.5㎜や1㎜などの細くて刃の厚みが薄い物で、柄から出ている刃の部分が長い物は折れる可能性が高いです。
また、彫っている時にすくい上げたりするとテコの原理で柄の際のところに力が加わり、そこから折れてしまうことがあります。もしすくい上げるような使い方をする時は曲刀を使用することをお勧めします。
折れてしまった彫刻刀は、メーカーにもよりますが鋼が折れたところまで入っていれば折れたところから刃を付ければ使うことは可能です。
自分で研いだら刃の形が変わってしまった
これは刃の研ぎ直しに近いですが、自分で研いでみたらうまく研げず刃先の形状が変わってしまったり、刃先が丸くなってしまって全然切れなくなってしまうことがあります。
弊社にご依頼いただく修理の中でこの修理が一番多いです。
この場合は自分で何とかしようとせずに一度プロにお願いしてみてください。
刃の形状は元々は「この形でした」と伝えていただければ大丈夫です。
もし元々の形状「覚えていない」という方は、こういう形状にしてほしいなど自分が使い易い形状を伝えて頂ければそのように研ぎ直し致します。
まとめ
刃研ぎ以外の修理はどこまでが修理出来てどこからが修理できないのか、ご自身では判断しにくいと思います。
私たちも実物を確認しないと修理できるか判断が出来ないことも多々ありますし、状態によっては修理できない物もありますが、ご自身でこれは修理できないと決めてしまわずにまずは弊社までお気軽にご相談いただければと思います。