彫刻刀・木彫ノミメーカーの職人による研ぎ直しの事例紹介
『研ぎ直しの悩みを解決 定額制の研ぎ直し』の記事や『彫刻刀・木彫ノミの研ぎ直しをプロにお願いした方が良い場合と送り方について』の記事で、プロに研いでもらうと良いというお話をさせていただきました。
しかし、プロが研ぐと何がどのように変わるのか、また何が対応できて何が対応できないのかなど紹介できていませんでしたので、今回は事例を交えて説明させていただきます。
平刀を研ぐ前
この彫刻刀は弊社のお客様がお友達からいただいた物で、長い間使われてなかったので研ぎ直してほしいと依頼を受けた一本です。
届いた時の状態はサビがあり、以前に自分で研いだような跡があり刃先が丸くなっていました。
平刀を研ぎ直した後
写真では分かりにくいですが、刃の方(左の写真)は刃先がシャープになりサビはほとんど取れました。鋼の方(右の写真)はサビはほとんど取れましたし、刃先が丸くなっていた状態からほとんど直すことが出来ました。
黒い部分のサビも磨けば取れるのですが、ここをピカピカに磨いてしまうと次からはもっとサビやすくなってしまいますのであえて磨かないようにしております。
このように刃の部分のサビはほとんど取れますが、黒い部分は磨きすぎるとサビやすくなってしまうのであまり磨けないのと、サビを長い間放置するとサビていた箇所が凹んだり穴が開いた状態になってしまうのでお気を付けください。
研ぎ直し、修理で対応できるものと対応できないもの
研ぎ直しに関わらず修理も含めて対応できるものと対応できないものがあります。
対応できるもの
- 切れなくなった状態のもの
- 自分で研いでみたけど刃先が丸くなったりしたもの
- 長い間使ってなくて、サビが出てきているもの(サビの状態によります。)
- 刃先が欠けてしまったもの
もし「これはどうかな?難しいかな?」と思われても、0258-72-2627までお電話いただくか、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせいただければと思います。
対応できないもの
- 折れてしまったもの
- 柄の近くまで刃先がきているもの
※研ぐ時に柄にあたるため。ただし柄にあたってもよければ承ります。 - 刃の部分以外のサビ取り
対応できないものは上記のようにほとんどありません。
まとめ
弊社は年間数千本の彫刻刀、木彫ノミを製造しているメーカーです。皆さんが思っている以上にお持ちの彫刻刀、木彫ノミを研ぎ直し・修理することができます。
ただ、注意点もあります。研ぎ直しをしたからと言って見た目が新品のものと同じ状態に戻るわけではございません。
また、刃の形については基本的に届いた時の状態と同じ形で研ぐことになっております。もしも、こういう形に直してほしい、こういう角度にしてほしいなどの要望に対応することもできますので、送る際にメモを同封していただければと思います。
「これは研げないよな、これは直せないよな」と思って諦めていた彫刻刀、木彫ノミでも、弊社までお気軽にご相談いただければと思います。